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AIカメラでの不法投棄の監視

不法投棄は、いまも全国で新たに見つかっています。環境省の調査では、令和5年度に新規判明した産業廃棄物の不法投棄は100件、投棄量は4.2万トンでした。

山林や空き地、資材置き場、敷地の境界など、人目の少ない場所は狙われやすくなります。見回りを増やしたくても、人手には限りがあります。

対策の一つとして注目されているのが、AIカメラによる監視です。本記事では、従来の防犯カメラとの違い、不法投棄に役立つ機能、屋外での運用のコツ、選び方を解説します。

参照元:環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)」(https://www.env.go.jp/press/press_04046.html)

不法投棄の現状と、管理者が抱える3つの負担

まずは数字で、不法投棄の現状を確認します。

新規判明は年100件、残存事案は2,876件

環境省の「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)」によると、新規に判明した不法投棄は100件でした。前年度の134件からは減少しましたが、ゼロにはなっていません。

年度末時点で残っている事案は2,876件、残存量は1,011.2万トンにのぼります。一度投棄されると、撤去までに長い時間がかかる実態がうかがえます。

投棄物で最も多かったのは、がれき類の32件(32%)です。実行者は排出事業者が44件(44%)で最多でした。

参照元:環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)」(https://www.env.go.jp/press/press_04046.html)

夜間や人目のない場所で起こりやすい

投棄の現場は、道路から入りやすく、見通しの悪い場所に集中しがちです。夜間や休日は人の目が届きにくく、発見が遅れます。

また、実行者の最多が排出事業者である点も見逃せません。不審者だけでなく、車両で乗り入れる事業者の動きも記録できる体制が求められます。

処分費用・巡回の手間・罰則だけでは追いつかない

負担は大きく3つあります。撤去や処分にかかる費用、巡回にあてる人手、投棄した人物の特定です。

マンションの事例では、道路に面したゴミ捨て場への不法投棄が繰り返され、処分費用の負担が増えていました。管理者がこの費用を負うケースは少なくありません。

廃棄物処理法では、不法投棄に「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下)」が定められています。罰則があっても、現場を押さえられなければ実行者の特定は難しくなります。映像による記録が役立つ場面です。

参照元:栃木県「不法投棄・不法焼却の罰則」(https://www.pref.tochigi.lg.jp/d05/eco/haikibutsu/haikibutsu/huhoutouki110.html)

従来の防犯カメラでは不法投棄を防ぎにくい理由

防犯カメラを置いても、投棄が止まらない場所があります。理由は、従来のカメラが「記録すること」を中心に作られているためです。

録画中心では「事後確認」にとどまる

従来の防犯カメラは、映像を録画して後から確認する使い方が一般的です。投棄されてから映像を見返しても、廃棄物はすでに現地に残っています。

映像を常時見張る担当者を置くには、人件費がかかります。広い敷地や複数の候補地を抱える管理者にとって、現実的ではありません。

動体検知は風・動物・光の変化で誤検知が増える

動体検知だけのカメラは、風で揺れる木々や動物、光の変化にも反応することがあります。通知が頻繁に届くと、本当に確認すべき通知が埋もれがちです。

AIカメラは、人や車両を見分けて検知できる製品が多くあります。不要な通知を減らしやすい点が、従来カメラとの違いです。

※搭載されるAI機能は製品ごとに異なります。導入前に、検知できる対象を確認しましょう。

違いの詳細は、AIカメラと従来の防犯カメラの違いでも解説しています。

AIカメラで不法投棄を監視する仕組みと主な機能

監視で役立つ場面は、投棄の前、最中、後の3つです。

人・車両の検知と即時通知

AIカメラは、映像に映った人や車両を識別します。中には設定したエリアに入ると、スマートフォンやパソコンへ通知する製品もあります。

見回りに出向かなくても、異変の映像だけを確認できる点が利点です。夜間や休日の巡回を減らしたい管理者にとって、負担の軽減につながるでしょう。

うろつき検知・ラインクロス検知で下見行動を察知

投棄の前には、周囲を確かめる下見行動が見られることがあります。うろつき検知は、一定時間とどまったり、往復を繰り返したりする動きを検知する機能です。

風による木の揺れや動物の動きといった環境ノイズを除き、人の動きだけを捉える設計の製品もあります。決めた線をまたいだ瞬間に知らせるラインクロス検知と組み合わせれば、敷地への立ち入りも把握できます。

機能の詳細は、AIカメラのうろつき検知機能のページをご覧ください。

音声・ライトによる警告で現行犯を抑止

スピーカーやライトを備えたAIカメラなら、侵入者に音声や光で警告できます。搭載の有無は製品によって違い、侵入や不法投棄の抑止を支援する機能を持つ製品もあります。

人の転倒や車両の進入など、普段と違う状態を知らせる異常検知機能もあります。詳しくはAIカメラによる異常検知機能をご覧ください。

車両検知で投棄車両の特定を支援

車番認識(LPR)に対応した製品は、ナンバープレートを読み取って記録します。登録外の車両の進入を知らせる使い方も可能です。

ナンバーが読み取りにくい環境でも、車種や車体色から映像を検索できる製品があります。投棄の疑いがある車両を、後から絞り込む際の手がかりです。

詳細はAIカメラによる車両検知機能のページをご覧ください。

屋外・広域でAIカメラを運用するコツ

機能がそろっていても、置き方や運用が合わなければ効果は出にくくなります。屋外で運用する際の4つのポイントを紹介します。

設置場所は「進入路・投棄されやすい場所・敷地境界」から選ぶ

最初の作業は、過去に投棄があった場所の洗い出しです。次に、そこへ至る進入路と、敷地の境界を確認します。

なぜなら投棄場所だけを映すより、進入する車両や人の動きを入口で捉えるほうが、特定につながりやすいためです。

電源と通信の条件を先に確認する

山林や空き地には、電源や通信回線がない場所もあります。AC電源が必要か、バッテリーや太陽光に対応するか、LTE通信が使えるかは、製品によって異なります。

設置候補地の電波状況も、事前に調べておきましょう。見積もりの段階で、メーカーや販売会社へ現地の条件を伝えると話が早く進みます。

看板やパトロールと組み合わせる

島根県では、平成17年度から不法投棄が行われやすい地区に監視カメラを導入しています。あわせて、広報啓発用の立看板の設置や、市町村・警察などによる年2回の合同パトロール、住民による監視も行っているのが特徴です。

カメラの存在を示す看板は、抑止の入口になります。機械の目と人の目を重ねる運用は、広い範囲の見守りに向いた方法です。

参照元:島根県雲南保健所「不法投棄監視カメラの設置について」(https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/kankyo/haiki/haikibutu_unnan/camera.html)

夜間・悪天候の誤検知とプライバシーに備える

逆光や夜間、悪天候では、誤検知や検知漏れが起こる場合があります。設置後に検知エリアや感度を調整し、通知の数を見ながら見直します。

顔認識など人物を解析する機能を使う場合は、個人情報保護法への配慮が必要です。カメラが作動中であることを現地に表示し、映像の保存期間や閲覧できる人の範囲を社内で決めておきましょう。

不法投棄対策にAIカメラを導入した事例

サイト内で取り上げている、不法投棄に関わる2つの事例を紹介します。

公園・公共施設で現行犯の阻止に切り替えた事例

バルテックの公式サイトによると、公園や公共施設で落書きと不法投棄に悩んでいた現場が、「VASS」を運用しています。ラインクロス検知で侵入を察知すると、担当者のスマートフォンが鳴る仕組みです。

従来の「後日確認」から、駆けつけや声掛けができる体制へ切り替わりました。導入から3カ月で迷惑行為が減少したと紹介されています。

参照元:バルテック公式サイト(https://www.webjapan.co.jp/solution/ai-camera/)

マンションのゴミステーションで映像の絞り込みを活用した事例

株式会社B's STYLE(岡山県)は、不法投棄の監視ソリューション「B's AIパトロール」を提供しています。2019年11月には、岡山市中区のマンションに導入されました。

動体検知機能を備えたカメラが人や物の動きを捉え、AIの画像解析で必要な映像を選別します。長時間の動画を巻き戻さなくても、確認すべき映像だけを監視画面で見られる仕組みです。

映像はPCやスマートフォンから遠隔で確認でき、直近9日間のデータは日時を指定して呼び出せます。プライバシー保護のため、一定期間が過ぎると映像は自動で削除されます。

参照元:株式会社B's STYLE「B's AIパトロール」(https://bsstyle.jp/archives/product/sol_04/)

不法投棄対策向けAIカメラの選び方(5つのチェックポイント)

製品を比べる際は、次の5点を確認しましょう。

候補を絞った段階で、デモや試験設置ができるかも聞いておくと安心です。現地の環境での検知精度を、導入前に確かめられます。

費用の目安はAIカメラの導入費用相場で確認してください。

まとめ

令和5年度に新たに判明した不法投棄は100件あり、年度末の残存事案は2,876件にのぼります。録画が中心の防犯カメラでは、投棄の前や最中に動くことが難しい場面もあるのが実情です。

AIカメラは、人や車両の検知、うろつき検知、音声やライトの警告などで、投棄の前後の対応を支援します。設置場所、電源と通信、看板やパトロールとの組み合わせまで考えると、運用の効果を高めやすいでしょう。

まずは、自社の敷地や管理地の条件を整理してみてください。そのうえで、複数の製品を比較すると、自分たちに合う一台を見つけやすくなります。用途別のおすすめ製品は、【用途別】おすすめのAIカメラ3選で紹介しています。

目的にあった強みを持つ
おすすめのAIカメラ3選はこちら

目的にあった強みを持つ
AIカメラ3選

AIカメラは、搭載されている機能によって得意分野が異なります。導入目的の中でも需要の高い「店舗分析」「防犯・犯罪検知」「不良品分別」に対して強みを持つAIカメラをご紹介します。

防犯・犯罪検知 向け

探したい映像を数秒で特定
少人数で負担をかけずに
異常を見逃さない体制を築きたい

AVIGILON((アビジロン))
AVIGILONのHPキャプチャ
引用元HP:テレコム
https://www.landingpage-synergy.com/P4w8zE1k/
AIカメラの特徴
  • 自然言語の指示で、発生中の異常をリアルタイムで検知。直感的に扱えるため、初動対応を早めることができる。
  • 過去の映像を複数カメラから数秒で横断検索。状況を瞬時に把握することで、被害の防止につながる。
  • 最大10K画質で夜間でも車両番号まで捉え、特許技術で通信負荷を抑えた安定接続を実現。犯罪抑止に貢献する。

AVIGILONの販売元
テレコムの公式HPで
詳しい事例を見る

店舗分析 向け

来店客数と買上率を正確に把握し
感覚に頼らない店舗運営で
売上アップを狙いたい

ABEJA Insight for Retail
ABEJA Insight for Retail
引用元HP:ABEJA
https://www.abejainc.com/insight-retail-main
AIカメラの特徴
  • ネットワークカメラの画像から来店人数や年齢・性別推定、店内の回遊・滞留などのデータを取得し、顧客の行動を可視化できる。
  • POS(売上データ)などと連携し、来店者に対する「買上率」といった店舗運営の重要指標を自動で算出・分析できる。
  • 取得したデータはクラウド上のダッシュボードで一元管理され、複数店舗の状況を横断的に比較・評価し、迅速な経営判断や施策改善に役立てられる。

ABEJA Insight for Retailの
公式HPで
詳しい事例を見る

不良品分別 向け

人手をかけずに不良品を即分別
システム連携で、
ムダなくスムーズに流したい

XG-X シリーズ
キーエンスのHPキャプチャ
引用元:キーエンス
https://www.keyence.co.jp/products/vision/vision-sys/xg-x/
AIカメラの特徴
  • 高性能プロセッサ搭載で高解像度画像をリアルタイム処理し、複数検査項目を同時に判定できる。
  • 多彩なカメラ・照明の組み合わせで微細なキズや異物混入を正確に検出し、適切な撮影環境を実現できる。
  • 彩度・濃淡解析など高度なアルゴリズムで異物や汚れを瞬時に判別し、不良品をスムーズに分別できる。

XG-X シリーズの
公式HPで
詳しい事例を見る

【目的別】おすすめのAIカメラ3選

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AIカメラ3選

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