ここでは方式が異なるエッジAIカメラとクラウドAIカメラの違いを明らかにするため、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
エッジとは「端」を意味します。つまり端末(カメラ)側にAI処理機能を持たせているAIカメラのことを指します。エッジAIカメラには推論のみ行うものと学習と推論の両方をカメラ側で行う2タイプがあります。
端末(カメラ)側でAI処理を行うため、映像データをサーバーに送ったり受け取ったりするタイムラグが発生しません。したがって制御や状況判断などをスピーディーに行わなければならないような用途に向いています。
AIカメラ導入時の初期コストはかかりますが、処理はカメラ側で行うため長期的に考えるとコスト削減につながります。クラウド処理の場合、従量課金のケースが多いため処理のためのデータ量がそのままコストに反映します。
AI処理カメラ側で終わっているためクラウドやサーバー間とのデータのやりとりがあったとしても最小化できます。そのため情報漏洩のリスクはすべてのサーバーを送受信するクラウドAIカメラ方式よりも小さいと言えます。
カメラで取得したデータをクラウド側にアップロードし、AI処理をクラウドで行うタイプのAIカメラのことを言います。重たい処理はクラウド側に任せられるのでカメラ側に高度な機能が求められることはありません。
カメラ側にAI機能搭載はないですが、少なくともクラウド側にデータをアップロードする機能は必要です。その場合、カメラとは別にデータをアップロードするための機材を追加が必要です。
クラウド側のAI処理機能を高くすることで、エッジAIカメラよりも複雑で大規模な処理にも対応することができます。その一方でデータの送受信に時間がかかることや、サーバーの処理負担が大きくなることもあります。
カメラ側の設備は軽くて済むので、AIカメラとはどんなものなのか使ってみたいという場合、すぐに利用が可能で導入コストも抑えることができます。AIカメラ導入で効果があるかどうか見極めたいお試し利用はしやすいです。
簡単に言うとAI処理をどこで行うかがエッジAIカメラとクラウドAIカメラの違いです。AI処理には負荷やコストがかかりますので、どこに重点を置いて運用するのかによって選び方も変わってきます。
失敗を避けるためには何のためにAIカメラを導入するのか、まず目的を明確にすることです。処理が簡単なものであれば管理サーバー不要でAIカメラのみも可能ですし、時間をかけても大量データを細かく分析したいならクラウド処理が向いています。
【用途別】AIカメラ解説
AIカメラのできることは種類による違いがあり、大きく分けると「分析・マーケティング」「従業員管理」「防犯対策」の3つに商品分類されます。まずはそれぞれにどのような機能があり、どのような役割を果たすのか知りましょう。
店舗や街の人流データ収集を中心に、来店者の性別・年齢分布や行動パターン分析を行うAIカメラです。
駐車場の混雑度や店舗・イベント会場での購買行動を可視化でき、マーケティング戦略の最適化や経営改善に貢献します。工事不要で既存の防犯カメラを活用でき、低コストで導入可能な点も魅力です。
入退室管理や勤怠管理など、従業員管理の効率化を実現するAIカメラです。
高精度な顔認証機能により、マスク着用時でも正確な識別が可能で、顔認証や指紋認証などの生体認証の他にカード認証、番号認証にも対応。
情報漏洩防止や無人店舗の運営支援など、セキュリティと効率を兼ね備えたツールとして活用されています。
人の行動をリアルタイムに解析し、万引きや暴力行為、不審者の検知を行う防犯対策特化型のAIカメラです。
異常行動の早期発見や即時通知機能を備え、事件や事故の未然防止を実現します。
小売店や公共施設など、さまざまな現場で安全管理の強化に寄与しています。
選定条件:
2022年4月20日、Google検索した上位26社のうち、「分析・マーケティング」市場で最も価格が安い「メバル」、「従業員管理」市場で最も外部システムと連携できる「SECURE」、「防犯対策」市場で最も導入事例が多い「VAAKEYE」として選出しました。