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高速道路では、事故や故障車、落下物、逆走車両などの異常事象をできるだけ早く把握し、後続車への情報提供や現場対応につなげることが求められます。しかし、長距離にわたる道路網を多数のカメラと限られた管制スタッフだけで常時監視することは容易ではありません。
こうした高速道路の安全管理を高度化する手段として活用が進んでいるのがAIカメラです。従来のCCTVカメラ映像にAI画像解析を組み合わせることで、停止車両や落下物、渋滞などの異常事象を自動で検知し、道路管制センターへ通知する仕組みを構築できます。
さらに、交通量や車両速度の計測、車両の識別、複数カメラを横断した対象車両の検索などを組み合わせることで、日常的な交通監視から事故・トラブル発生後の映像確認まで効率化が期待できます。本記事では、高速道路へAIカメラを導入するメリットや主要機能、導入事例、システム選定時の注意点について解説します。
高速道路では一般道路よりも車両の走行速度が速いため、路上に停止車両や落下物が発生した場合、後続車との重大な事故につながるおそれがあります。また、ICや料金所、SA・PA付近などでは逆走が発生するケースもあるため、異常をできるだけ早く把握することが重要です。
AIカメラを活用すれば、映像内の車両の動きや道路上の物体を解析し、停止車両、落下物、渋滞、設定した方向と逆向きに走行する車両などの異常を自動的に検知する仕組みを構築できます。
異常を検知した際に道路管制センターへアラートを通知できれば、スタッフは該当する映像を優先して確認し、道路情報板による注意喚起や交通管理隊への連絡など、必要な初動対応へ移りやすくなります。
すべての異常を人の目だけで発見するのではなく、AIによって注意すべき映像を抽出することで、異常事象の早期発見と安全確保を支援できます。
高速道路では、事故や工事、交通集中などによって刻々と交通状況が変化します。渋滞が発生した際には、その位置や規模をできるだけ早く把握し、道路利用者へ適切な情報を提供する必要があります。
AIによる映像解析では、カメラに映る車両の台数や速度、車間、走行状況などを解析し、交通流の変化をデータとして把握できます。
例えば、一定区間で車両速度が低下し、滞留する車両が増加していることを検知できれば、渋滞発生の把握や交通状況の分析に活用できます。
取得したデータを道路管制システムなどと組み合わせれば、道路情報板やWebサイト、交通情報サービスなどを通じた情報提供の高度化にもつながります。ドライバーが早い段階で渋滞や事故の情報を把握できれば、走行ルートや休憩場所を判断するための材料にもなります。
高速道路の道路管制センターには、CCTVカメラや交通管理隊、道路利用者からの通報など、さまざまな情報が集約されます。
しかし、高速道路網が広がりカメラ台数が増えるほど、スタッフがすべての映像を常時目視で確認することは難しくなります。
AIカメラを導入することで、異常が発生した可能性のある映像だけを自動的に抽出してスタッフへ通知できるため、通常時の映像を延々と確認し続ける必要を減らせます。
AIが異常候補を検知し、最終的な判断を管制スタッフが行う運用とすることで、人の判断力を活かしながら監視業務を効率化できます。事故・落下物・渋滞など複数の事象を一つの交通管制システムへ集約できれば、限られた人員でも広域な道路網を効率的に管理しやすくなるでしょう。
高速道路向けAIカメラの代表的な機能が、道路上で発生した異常事象を映像から自動検知する機能です。
例えば、本線上で車両が一定時間停止した場合や、通常は存在しない物体が車線上に現れた場合など、あらかじめ設定した条件に該当する状況をAIが解析します。
停止車両や落下物、渋滞、人の立ち入りなどを検知した際に道路管制センターへアラートを通知できれば、スタッフは大量の映像の中から異常が発生した場所を探す必要がありません。
NEXCO西日本でも、既設の高速道路カメラ映像をAI画像処理装置へ接続し、車両停止や落下物、渋滞などを検知して道路管制センターのスタッフへ知らせる仕組みが運用されています。
参照元:NEXCO西日本「AI画像処理技術を活用した道路情報の収集・提供を開始します」
https://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/r3/0331a/
AIカメラは、安全監視だけでなく交通状況の把握にも活用できます。撮影した映像から車両を検出し、一定時間内に通過した台数や車種などを集計することで、交通量を継続的に計測できます。
さらに、映像内での車両の移動を追跡することで、走行速度や進行方向、交通流の変化などをデータ化できるシステムもあります。
国土交通省でもCCTVカメラ映像をAI解析する「AI型トラフィックカウンター」を活用し、道路交通量を機械観測する取り組みが進められています。
時間帯ごとの交通量や速度変化を継続的に把握できれば、渋滞が発生しやすい区間の特定や道路運用の改善、将来的な交通施策の検討にも役立てられます。
参照元:国土交通省「全国の直轄国道の交通量データを取得可能なAPIを公開開始します」
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001930.html
料金所やスマートICなどでは、車両の通過状況を正確に把握することも重要です。そこで活用できるのが、ANPR(Automatic Number Plate Recognition)と呼ばれるナンバープレート認識技術です。
高解像度カメラで撮影した車両のナンバープレートを画像解析することで、車両番号をデータ化し、通過した時間や場所などの情報と関連付けて管理できます。
ETCレーンで開閉バーを突破する、前方車両へ極端に接近して通過するといった不正通行が疑われるケースでは、監視カメラ映像や車両情報を事後確認することが重要になります。
ナンバー認識や車種・車両色などの画像解析を組み合わせれば、大量の録画映像から確認対象となる車両を絞り込みやすくなり、料金所監視や事後調査の効率化につながります。
NEXCO西日本では、高速道路上にすでに設置されているカメラ映像へAI画像処理技術を組み合わせ、道路情報を収集する取り組みを行っています。
従来は、道路利用者からの通報などを受けて管制スタッフがカメラを選択し、映像を目視確認することで事故や落下物などを把握していました。
AI画像処理技術の導入後は、既設カメラ映像をAI画像処理装置へ入力し、車両停止・落下物・渋滞などを検知すると道路管制センターへ自動で通知します。
通知を受けたスタッフが実際の映像を確認し、必要に応じて道路情報板などへ反映する仕組みです。AIだけに判断を任せるのではなく、「AIによる検知」と「人による確認」を組み合わせることで、道路情報収集・提供業務の効率化を図っています。
また、NEXCO東日本・中日本でも、交通監視カメラ映像から事故や落下物などを自動検知する技術の実証が行われています。
参照元:NEXCO西日本「AI画像処理技術を活用した道路情報の収集・提供を開始します」
https://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/r3/0331a/
スマートICや料金所は、本線とは異なる複雑な車両動線が発生する場所です。特にICや料金所付近では、出口を通り過ぎた車両がUターンしたり、料金所出口側から誤って進入したりすることで逆走につながるケースがあります。
実際にスマートICでは、入口・出口周辺へ監視カメラを設置し、離れた料金所から車両の状況を確認できる設備の導入例があります。
こうした監視設備へAI画像解析を組み合わせ、車両が設定した進行方向とは逆方向へ移動した場合や、ETCレーン内で通常とは異なる動きをした場合にアラートを出す仕組みとすれば、料金所スタッフによる早期確認を支援できます。
また、車種や色、ナンバーなどの車両情報を取得できるシステムと連携することで、不正通行や料金トラブルなどが発生した際の映像確認にも活用できます。
なお、AIによる逆走検知の対応範囲や精度は製品・設置環境によって異なるため、導入時には実際の車線構成やカメラ画角を使った検証が必要です。
参照元:NEXCO東日本「高速道路の逆走はこんな場所で発生」
https://www.e-nexco.co.jp/activity/reverse/place.html
高速道路のトンネル内では、事故や故障車が発生した際に後続車から状況を確認しにくく、二次事故につながる可能性があります。そのため、異常事象をできるだけ早い段階で把握することが重要です。
NEXCOでは、トンネル内に設置されたCCTVカメラ映像を画像処理し、渋滞や低速走行、停止などの事象を自動的に検知する設備が導入されています。
異常を検知すると道路管制センターで状況を確認し、必要に応じてパトロールカーや警察、消防などへ出動要請を行います。
トンネル内は屋外に比べて天候の影響を受けにくい一方、照度が低く、ヘッドライトによる明暗差も発生します。そのため、低照度撮影性能や逆光補正などを備え、暗所でも車両を安定して認識できるカメラを選ぶことがポイントです。
参照元:NEXCO東日本「高速道路上の事故や落下物などの事象を交通監視カメラ映像から自動で検知する技術開発・実証を開始します」
https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/head_office/2020/1028/00008642.html
高速道路へ設置するAIカメラは、雨や雪、強風、直射日光などの影響を年間を通して受け続けます。そのため、一般的な屋内監視カメラとは異なり、設置環境に耐えられる性能が必要です。
特に確認したいのが、防水・防塵性能、動作温度、耐衝撃性、低照度撮影性能などです。また、高速道路では朝夕の強い逆光、車両のヘッドライト、雨滴や降雪、路面反射などが画像解析精度へ影響する可能性があります。
実際にNEXCOが屋外区間で自動検知技術を実証した際にも、太陽光や影、気象条件などの環境要因が検知精度上の課題として挙げられています。
AIカメラを選定する際は、メーカーが示すスペックだけではなく、実際の設置予定箇所で昼夜・晴天・降雨など異なる条件を想定した検証を行うことが重要です。
高速道路は数十kmから数百kmという広範囲を監視する必要があり、多数のカメラから高画質映像を道路管制センターへ送信すると通信量が大きくなります。
そこで重要になるのが、カメラや現地側の機器で映像解析を行う「エッジAI」です。映像そのものを常時すべて転送するのではなく、現地でAI解析を行い、異常事象や必要なデータを優先して管制側へ送信することで、通信負荷を抑えながら迅速な検知を実現しやすくなります。
また、複数のICやSA・PA、トンネル、本線上のカメラを一元管理する場合には、ネットワーク障害が起きた際の冗長化や映像データの保存方法、各拠点から管制センターまでの通信帯域も確認が必要です。
高速道路向けAIカメラは、単体の解析性能だけを見るのではなく、広域に配置されたカメラをどのようにネットワーク化し、一つのシステムとして管理できるかまで含めて検討しましょう。

本線、インターチェンジ、料金所、SA・PAなどが広範囲に点在する高速道路では、多数の監視カメラが設置されます。しかし、当て逃げや逆走、落下物などのトラブルが発生した際、何時間分もの録画映像から対象車両を人の目だけで探し続けることは管制スタッフにとって大きな負担となります。
そこで注目したいのが、高度なAI映像解析・検索機能を備えた「AVIGILON(アビジロン)」です。AVIGILONでは、映像内の人物や車両をAIで解析するとともに、車両の外観的な特徴などを手がかりとして録画映像から対象を絞り込むことができます。
リアルタイムの異常検知だけでなく、トラブル発生後に「どの車両が、どこを通過したのか」を効率的に調べられるため、多数のカメラを管理する高速道路の事後確認業務にも活用できます。
本線やインターチェンジ、PAなどに多数のカメラが設置された高速道路で、当て逃げや逆走、落下物の原因となった車両を探す場合、従来は発生場所周辺の録画映像を一つずつ確認する必要があります。
AVIGILONではアピアランス検索を活用することで、車両の色や種類などの外観的な特徴を条件として、大量の録画データから該当する車両候補を効率的に検索できます。
例えば、「事故発生直前に現場を通過した赤色の乗用車」「落下物の直前に走行していた大型トラック」といった情報を手がかりとして候補映像を絞り込めるため、何時間分もの映像を最初から目視確認する負担を減らし、対象車両のスムーズな特定をサポートします。
高速道路を走行する車両は、一つのカメラの前にとどまることはありません。本線を走行し、JCTやICを通過し、場合によってはSA・PAへ立ち寄るなど、短時間で複数の監視区間を移動します。
カメラ単位でしか映像を検索できないシステムでは、対象車両が一つの画角から見切れるたびに、「次はどのカメラに映っているのか」をスタッフ自身が推測して確認しなければなりません。
AVIGILONでは、複数のカメラや時間帯を対象として人物・車両を横断的に検索できます。ある区間で確認された対象車両について、その後に別のIC付近や料金所、休憩施設などで映った候補を続けて確認することで、一連の移動経路を把握しやすくなります。
カメラごとに映像を探し直す作業を減らせるため、広域な道路網における事故・トラブルの事後検証や車両動線の確認業務を大幅に効率化できます。
高速道路では対象車両の事後検索だけでなく、「本線上で車両が停止した」「通常とは異なる方向へ車両が移動した」といった異常をできるだけ早く把握することも重要です。
AVIGILONでは、人物や車両を対象とした映像解析を活用し、車両の停止や設定した方向に反する移動など、あらかじめ設定した条件に該当する事象を検知できます。
こうしたリアルタイムの異常検知と複数カメラの横断検索を組み合わせることで、管制スタッフがすべてのカメラ映像を常時監視するのではなく、注意すべき映像を優先的に確認する体制を構築しやすくなります。
トラブル発生後も、対象車両の色や種類などから関係する映像を絞り込み、その後の移動を複数カメラから確認できれば、最寄りのパトロール隊や関係機関へ状況を共有する際にも役立ちます。
AIによる異常検知と広域な映像検索を組み合わせることで、少人数でも多数のカメラを効率的に管理し、高速道路の安全対策と交通管制業務の負担軽減をサポートできる点がAVIGILONの強みです。
広大な高速道路網のセキュリティを強化し、複数カメラの連携で安全な道路運営をサポートするAVIGILONの詳細は、公式サイトをご覧ください。
高速道路では、事故や落下物、停止車両、逆走などの異常事象をできるだけ早く把握し、道路利用者への情報提供や現場対応につなげることが重要です。
AIカメラを活用することで、停止車両や落下物などの異常事象検知、交通量・速度の計測、車両認識、料金所周辺の監視など、従来は人の目や複数の設備に頼っていた道路監視業務を効率化できます。
また、高速道路のように監視範囲が広くカメラ台数が多い環境では、「異常を検知できるか」だけでなく、事故やトラブルの発生後に必要な映像をどれだけ早く見つけられるかも重要です。
複数のカメラを横断して対象車両を検索できるシステムであれば、本線からIC、SA・PA、料金所など複数地点を移動する車両についても足取りを確認しやすくなり、原因究明や関係機関への情報共有、報告業務にかかる負担軽減につながります。
高速道路向けAIカメラを選ぶ際は、異常事象の検知精度だけでなく、夜間・豪雨・降雪・逆光などへの対応性能、エッジAIや通信環境、複数カメラの統合管理・横断検索への対応なども比較しましょう。
AIカメラは、検知したい対象や設置場所によって適した製品が変わります。当サイトでは「防犯・犯罪検知」「店舗分析」「不良品分別」など、目的ごとに強みを持つおすすめのAIカメラを紹介しています。AIカメラを導入する際の比較・検討にぜひお役立てください。
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