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数万人規模の観客が集まるスタジアムやアリーナでは、試合やイベントを盛り上げるだけでなく、来場者の安全確保やスムーズな入退場、施設内の混雑管理など、さまざまな運営業務が求められます。特に大規模イベントでは、入場ゲートやコンコース、売店などに短時間で人が集中するため、スタッフの目視や巡回だけですべての状況を把握することは簡単ではありません。
こうしたスタジアム運営の課題を解決する手段として注目されているのがAIカメラです。AIによる映像解析を活用することで、不審な行動や立ち入り禁止エリアへの侵入検知、混雑状況の可視化、人物の検索などを自動化できます。さらに、スポーツ分野では選手やボールの動きをAIが追跡し、カメラマンなしで試合映像を撮影・配信する仕組みも登場しています。
本記事では、スタジアムや競技場にAIカメラを導入するメリットや主要機能、実際の活用事例、導入時に確認しておきたいポイントについて解説します。
数万人もの観客が集まるスタジアムでは、警備スタッフがすべての観客の行動を把握することは困難です。危険物の持ち込みや立ち入り禁止エリアへの侵入、観客同士のトラブルなどが発生した場合、発見が遅れると重大な事故につながる可能性もあります。
AIカメラを活用すれば、人物や車両の動きなどを映像から自動解析し、あらかじめ設定したエリアへの侵入や通常とは異なる行動、長時間の滞留などを検知することができます。異常を検知した際に警備室やスタッフへアラートを送る仕組みを構築すれば、すべての映像を人が常時監視する必要もありません。
熱戦後の観客同士のトラブルや、イベント終了後に関係者以外が施設内へ残っているケースなども早期に把握しやすくなります。AIによる自動検知とスタッフによる現場対応を組み合わせることで、広大なスタジアムでも効率的な警備体制を構築できます。
スタジアムでは、試合開始直前や終了直後に入退場ゲートが混雑するほか、ハーフタイムには売店やトイレへ観客が一斉に移動することがあります。特定の場所に人が集中すると、長い待ち時間が発生するだけでなく、通路が塞がれることで安全面にも影響します。
AIカメラによる人数カウントや人流解析を活用すれば、ゲートやコンコース、フードエリアなどの混雑状況をリアルタイムで把握できます。混雑している場所へスタッフを増員したり、比較的空いているゲートや売店へ観客を誘導したりするなど、状況に応じた対応が可能です。
さらに、AIカメラから取得した混雑データをデジタルサイネージやスマートフォン向けページと連携すれば、来場者自身が空いているエリアを確認できます。実際にスタジアムでは、約70台のAIカメラなどを活用してフロアや飲食店付近の混雑状況をリアルタイムで可視化し、サイネージやスマートフォンで確認できる仕組みの実証実験も行われています。
参照元:cloudpack:https://cloudpack.jp/casestudy/300.html
AIカメラは施設の警備だけでなく、スポーツイベントの撮影・配信にも活用できます。従来、試合を映像配信するためにはカメラマンや撮影スタッフを配置しなければならず、人員や費用の問題から、アマチュアスポーツや地域大会では映像配信が難しいケースもありました。
スポーツ向けAIカメラでは、フィールド全体の映像からAIがボールや選手の動きを認識し、プレーの展開に合わせて映像を自動的に切り出しながら撮影・配信できます。
撮影スタッフを常時配置しなくても試合映像を発信できれば、会場へ足を運べないファンにも試合を届けられます。地域リーグや学生スポーツ、アマチュア大会などの情報発信力を高めることで、新たなファンの獲得や大会誘致、地域スポーツの活性化にもつなげられるでしょう。
スポーツ向けのAIカメラには、フィールド全体を広角で撮影しながら、AIが選手やボールの動きを解析して試合映像を自動生成する機能があります。
例えばサッカーであれば、ボールが右サイドから左サイドへ移動すると、その動きに合わせるように映像の表示範囲を自動調整します。人がカメラを操作しなくても、プレーの中心を追いながら試合映像を撮影できるため、カメラマンの配置が難しい試合でも配信しやすくなります。
撮影した映像をリアルタイム配信するだけでなく、試合後の振り返りや選手のプレー分析、チームのPRなどへ活用できるサービスもあります。地域リーグや学校スポーツなど、これまで映像化が難しかった大会を継続的に発信する手段としても有効です。
スタジアムには観客席やコンコースだけでなく、ピッチ、選手控室周辺、VIPエリア、機械設備、資材置き場など、関係者以外の立ち入りを制限しなければならない場所が多数あります。
AIカメラでは監視したいエリアや境界線を設定し、人や車両が対象エリアへ侵入した場合に自動的に検知して警備担当者へアラートを送信することが可能です。
イベント開催中はもちろん、スタッフが少なくなる夜間や休館日にも活用できます。人による巡回だけでは確認が難しい広大な施設を24時間監視し、異常が発生した場所へ警備員を向かわせることで、防犯業務の効率化が期待できます。
混雑・行列分析では、AIがカメラ映像から人物を検出し、特定エリアにいる人数や人の滞留状況をデータ化します。
エリアごとの人数を段階的に表示したり、ヒートマップなどによって「どこに人が集中しているのか」を視覚的に把握したりすることも可能です。スタッフが現場を見て回らなくても、管理室からスタジアム内の混雑状況を把握しやすくなります。
入場ゲートで行列が伸びていれば別ゲートを開放する、売店に人が集中していればスタッフを追加するなど、リアルタイムデータを人員配置へ活用できます。また、蓄積したデータから時間帯ごとの混雑傾向を分析すれば、次回以降のイベント運営計画にも役立てられるでしょう。
大勢の観客が行き交うスタジアムでは、迷子や不審者、トラブルの関係者などを映像から探す必要が生じることがあります。
一般的な防犯カメラの場合、一つのカメラから対象者が見切れると、「次にどのカメラへ映ったのか」をスタッフが推測しながら録画映像を確認しなければなりません。数十台、数百台ものカメラが設置されている大規模施設では、複数カメラの何時間分もの映像を確認するだけでも膨大な作業になります。
一方、高度なAI映像検索に対応したシステムでは、人物の服装や色などの特徴を手がかりとして、複数のカメラ映像を横断して対象者を検索できます。
例えば「赤い上着を着た人物」を条件として検索し、入場ゲート、コンコース、観客席、売店周辺など異なるカメラに映った候補を時系列で確認できれば、対象者の移動ルートを効率的に把握できます。
トラブル発生時の初動を早められるだけでなく、事故やトラブル発生後の状況確認、映像の抽出、インシデント報告書作成などにかかるスタッフの負担軽減にもつながる機能です。
宮城県女川町の「WACK女川スタジアム」では、NTTSportictが提供するスポーツ向けAIカメラ「STADIUM TUBE S1」が導入されています。
STADIUM TUBEは、専用機器で撮影したパノラマ映像からAIがボールや選手の動きを把握し、カメラマンなどの人手を介さずに試合を自動撮影・配信するソリューションです。WACK女川スタジアムでは常設型のカメラを利用し、試合をリアルタイムでオンライン配信できる環境が構築されています。
さらに女川町では、体育館やグラウンドなどへ持ち運んで利用できる可搬型AIカメラも導入。試合のアーカイブ映像作成などにも活用できる体制を整えています。
地域のスポーツ施設でも人員を大幅に増やさず映像発信が可能になることで、チームのPRや大会のオンライン視聴だけでなく、スポーツ大会の誘致などを通じた地域活性化も期待されています。
参照元:女川町総合運動場:AIカメラ(STADIUM TUBE)による撮影・配信のご案内
JリーグやBリーグをはじめとするプロスポーツでは、試合映像や各種データを活用した観戦体験の向上や施設運営の高度化が進められています。AIカメラも、競技映像の撮影だけではなく、選手分析や来場者の混雑管理など幅広い用途への活用が考えられます。
例えばスタジアムで実施された混雑状況可視化の実証実験では、約70台のAIカメラと連携し、フロアや飲食店付近などの混雑状況をリアルタイムでマップに表示する仕組みが検証されています。取得した情報を会場内サイネージや来場者のスマートフォンへ表示することで、混雑している場所を避けた移動を促すことができます。
同様の仕組みをスタジアムやアリーナへ導入すれば、ハーフタイムに特定の売店やトイレへ人が集中した場合でも、比較的空いている場所を案内できます。運営側も混雑データを確認しながらスタッフを配置できるため、来場者の利便性向上と施設運営の効率化を両立しやすくなります。
また、試合映像をAI解析できる環境を整えれば、選手やチームの振り返りなど、競技面での映像活用にもつなげることができます。
参照元:cloudpack:AIカメラと連携し、スタジアムの混雑状況をリアルタイムでマップに可視化
大規模スタジアムでは、イベント開催中だけではなく閉館後も広大な敷地を監視する必要があります。しかし、ピッチ周辺や選手エリア、設備スペース、駐車場などすべての場所へ警備スタッフを常時配置するのは現実的ではありません。
そこで活用できるのが、カメラや施設内のエッジデバイス側で映像解析を行うAIカメラです。監視対象となるエリアや境界線を設定し、人物や車両が立ち入り禁止区域へ入った際に自動で検知することで、警備担当者が画面を常時見続けなくても異常を把握できます。
例えばイベント終了後のピッチへの侵入や、深夜の関係者エリアへの立ち入りなどを検知した場合、管理者へアラートを送信。映像を確認したうえで必要な場合だけ警備員を現場へ向かわせれば、少人数でも広範囲を効率的に監視できます。
スタジアムへAIカメラを導入する場合は、画像解析機能だけでなく設置環境に耐えられるハードウェア性能を確認する必要があります。
屋外の観客席や入場ゲート、外周などに設置するカメラは、雨風やほこり、強い日差しなどにさらされます。半屋外のコンコースであっても、吹き込む雨や気温変化などの影響を受ける可能性があります。
そのため、防水・防塵性能を示すIP規格や動作温度などを確認し、設置環境に適したカメラを選定することが重要です。
また、日中と夜間では明るさが大きく変化します。逆光補正や低照度撮影、赤外線撮影などの機能も確認し、照明条件が変わってもAI解析に必要な映像を安定して撮影できる製品を選びましょう。
スタジアムでは、一台のカメラ映像に数百人、施設全体では数万人規模の来場者が映り込む可能性があります。そのため、AIカメラを導入する際にはプライバシーや個人情報の取り扱いにも十分な配慮が必要です。
用途によっては、映像を外部へ提供する際に人物の顔を自動でぼかすモザイク処理などを活用することも検討しましょう。また、映像を確認できる担当者、利用目的、データの保存期間、アクセス権限、削除方法などを事前にルール化することが重要です。
必要以上に個人を特定する仕組みを導入するのではなく、「混雑状況を把握したい」「立ち入り禁止区域への侵入を確認したい」など、利用目的に応じて必要な機能を選ぶこともプライバシー保護につながります。
大規模スタジアムでは、カメラの解像度や台数だけではなく、トラブル発生後に必要な映像をどれだけ効率的に探せるかも重要な選定基準です。
カメラ単体でしか映像を検索できないシステムの場合、対象者が別のエリアへ移動するたびに、スタッフが次のカメラを推測して映像を確認しなければなりません。数十台から数百台のカメラがある施設では、映像確認だけで長時間を要する可能性があります。
そのため、大規模施設での導入では、人物や車両の特徴を指定して施設内の複数カメラを横断検索できるかを確認しておくとよいでしょう。
対象者の足取りを複数カメラから時系列で確認できれば、迷子や不審者を探す際の初動だけでなく、事故発生後の事実確認や報告書作成も効率化できます。「録画するためのカメラ」ではなく、「必要な映像をすぐに見つけられるシステム」という視点で選定することが、少人数での警備体制を構築するポイントです。

スタジアムには、入場ゲートやコンコース、スタンド、売店、外周、駐車場など数多くのエリアがあり、それぞれに複数の防犯カメラが設置されます。しかし、カメラの台数を増やすだけでは、トラブルが起きた際の映像確認に多くの時間を要してしまうことがあります。
そこで注目したいのが、高度なAI映像解析機能を備えた「AVIGILON(アビジロン)」です。AVIGILONでは、人物や車両の外観的な特徴を手がかりに、施設内の複数カメラを対象として録画映像を検索できる「Appearance Search(アピアランス検索)」を利用できます。
大勢の観客で混雑するスタジアムでも、必要な映像を効率的に絞り込み、対象者の移動を確認しやすくなるため、迷子の捜索から不審者・トラブル発生時の事後確認まで幅広く活用できます。
観客席や複数のゲート、コンコースなどに多くの人が行き交うスタジアムでは、特定の人物を録画映像から探し出すだけでも大きな負担になります。
例えば「赤い服を着ている迷子を探したい」といった場合、従来の防犯カメラでは、最後に確認された場所から周辺の録画映像を一台ずつ確認していく必要があります。対象者がいつ、どの方向へ移動したのか分からなければ、何時間分もの映像を確認することにもなりかねません。
AVIGILONのアピアランス検索では、服装の色など人物の外観的な特徴を検索条件として設定できます。条件を指定すると、アピアランス検索に対応したカメラの録画データから一致する可能性のある人物をシステムが抽出するため、膨大な映像を最初から最後まで目視確認する必要を減らせます。
人物だけでなく車両の検索にも対応しているため、不審車両や施設内で確認したい車両の動きを調査するといった用途にも活用できます。
スタジアムで人物を追跡する際に大きな問題となるのが、対象者が一台のカメラから見切れた後の確認作業です。
例えば対象者が入場ゲートを通過したあと、コンコースを歩いてスタンド席へ移動し、さらに売店へ向かった場合、対象者を捉えるカメラは次々と変わります。カメラ単位で映像を確認するシステムでは、そのたびにスタッフが次のカメラを探さなければなりません。
AVIGILONでは、複数の対応カメラと時間を横断して特定の人物や車両を検索し、対象者が映った映像を時系列で確認できます。
そのため、「入場ゲートで確認されたあと、コンコースを通り、売店付近へ移動した」といった対象者の足取りを追いやすくなります。最後に対象者が確認された場所が分かれば、その周辺にいる警備員へ捜索を依頼するなど、スムーズな初動対応につなげられます。
AVIGILONは映像検索だけでなく、人物・車両の検知や異常な動きの検知など、AIを活用した映像解析機能も備えています。
例えば、イベント終了後の閉鎖エリアに人物が侵入したり、通常とは異なる場所で人物が長時間滞留したりした場合など、注意が必要な映像を効率的に確認できる環境を構築できます。
こうしたAIによる検知機能と複数カメラを横断した映像検索を組み合わせれば、警備スタッフがすべてのカメラ映像を常時監視し続けなくても、広大なスタジアム全体を効率的に管理できます。
異常を確認したあとに対象者の位置や移動方向を映像から把握できれば、スタッフ全員を動かすのではなく、現場に近い警備員へピンポイントで急行を指示することも可能です。限られた人員で大勢の観客の安全を守らなければならないスタジアムにおいて、警備スタッフの負担軽減と迅速な初期対応を両立できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
参照元:AVIGILON:Avigilon Unity Video
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数万人の観客が集まるスタジアムやアリーナでは、安全なイベント運営だけでなく、入退場や売店の混雑緩和、限られたスタッフによる効率的な施設管理、スポーツコンテンツの発信など幅広い課題があります。
AIカメラを活用することで、立ち入り禁止区域への侵入検知、混雑状況の可視化、スポーツイベントの自動撮影・配信、人物や車両の映像検索など、従来は人の目や作業に頼っていた業務を効率化できます。
特に大規模スタジアムでは、単に高画質な映像を記録できるだけではなく、「必要な映像をすぐに探せるか」という視点も重要です。複数カメラを横断して対象者を検索・追跡できるシステムであれば、迷子やトラブル発生時の初動を早められるだけでなく、その後の事実確認や報告業務まで効率化できます。
導入目的を明確にしたうえで、AIによる検知機能、混雑分析、カメラ横断検索、屋外性能などを比較し、自施設の規模や運用体制に適したAIカメラを選びましょう。
AIカメラは、検知したい対象や設置場所によって適した製品が変わります。当サイトでは「防犯・犯罪検知」「店舗分析」「不良品分別」など、目的ごとに強みを持つおすすめのAIカメラを紹介しています。AIカメラを導入する際の比較・検討にぜひお役立てください。
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