農業の現場では、人手不足や後継者不足が叫ばれ、そのような中で農作物の盗難被害や施設へのイタズラ、鳥獣被害や害獣などの対策もしていかなければなりません。
従来の監視カメラと異なり、AIカメラは人や動物やその動線、行動を検知し通知することができます。そこで農業における主な問題を、AIカメラの活用により解決する事例やメリットを紹介します。人手不足の解消と問題の解決に繋がるよう、AIカメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
キヤノンMJグループが九州大学や大分県のイチゴ栽培農家などと共同で、イチゴの生育状況を解析して数値化するプロジェクトに取り組んでいます。
防犯・防災目的で使用されていたキヤノンのネットワークカメラをビニールハウスに設置し、花や実の数、大きさ、色などを映像から生育情報を得て解析し、イチゴの収穫量を予測するというものです。
これにより、施肥の量や温度・湿度のコントロール対策が可能となり、生育を安定させることができます。
参照元:キャノン公式ページ:https://canon.jp/corporate/brand-stories/episode02
開成建設工業ではメロンのハウス栽培をしていましたが、従来の手作りによる監視カメラとハウス巻上げシステムでは、温度調節に手が回らず、ハウス増設が困難でした。そこでパナソニック・コネクトは、AIカメラと各ハウス開閉部分の巻上げを制御するIoTコントローラ、温湿度計測センターを設置。システムを一元管理することで、温度調節に必要なハウスの巻上げが自宅や外出先からもできるようになりました。
参照元:パナソニック・コネクト公式ページ:https://connect.panasonic.com/jp-ja/case-studies/kaisei-kensetsu
AIカメラの画像認識機能によって、農作物の花・実の数や大きさ、色といった生育状況を情報として得ることができます。データが蓄積されていけば、どのくらいの期間でどのくらいの量の収穫が可能かという、収穫量の予測もできるようになり、人の目視による膨大な成長管理作業が大幅に軽減されます。
また生育に遅れがあれば、施肥や温度などのコントロールといった対策ができるため、生育の安定化を図ることも可能になります。
農作物の盗難防止のために、AIカメラの防犯システムが活用できます。万引き防止や不審者の発見などに使われるAIカメラは、人の異常な動きをリアルタイムで検知して通知します。
これを農業にも応用することで、農作物の盗難を予防することが可能です。また、AIカメラは人を識別することもできるので、あらかじめ登録した人以外がハウスなどに侵入した際に、検知して通知できます。同時に、ビニールハウスへのイタズラも防止できます。
農業で頭を悩ませるのが、ネズミやイノシシ、カラスなどによる鳥獣被害・獣害です。収穫前の農作物を動物が食べてしまう、田畑を荒らされるという被害が発生するのを防ぐには、従来の監視カメラ設置だけでは解決できません。
AIカメラは24時間365日監視し、動物など動くものを検知して通知できるため、動物が侵入すれば撃退音を鳴らす、檻やワナで捕獲するなどが可能になります。
農業における主な問題点は、農作物の盗難や、鳥獣・害獣による被害などがあります。さらに人手不足や後継者不足も相まって、盗難防止や鳥獣被害への対策が困難なことも多くあります。
AIカメラは監視だけでなく、人や動物を識別し、侵入を感知し、通知することができます。AIカメラをシステムと連携させることで、盗難防止や鳥獣・害獣による被害を防ぐことができます。
AIカメラの、識別して分析する機能を活用した、農作物の生育管理にも注目が集まっています。大幅に人の作業を軽減し、安定した収穫を見込むことができるようになるでしょう。
【用途別】AIカメラ解説
AIカメラのできることは種類による違いがあり、大きく分けると「分析・マーケティング」「従業員管理」「防犯対策」の3つに商品分類されます。まずはそれぞれにどのような機能があり、どのような役割を果たすのか知りましょう。
店舗や街の人流データ収集を中心に、来店者の性別・年齢分布や行動パターン分析を行うAIカメラです。
駐車場の混雑度や店舗・イベント会場での購買行動を可視化でき、マーケティング戦略の最適化や経営改善に貢献します。工事不要で既存の防犯カメラを活用でき、低コストで導入可能な点も魅力です。
入退室管理や勤怠管理など、従業員管理の効率化を実現するAIカメラです。
高精度な顔認証機能により、マスク着用時でも正確な識別が可能で、顔認証や指紋認証などの生体認証の他にカード認証、番号認証にも対応。
情報漏洩防止や無人店舗の運営支援など、セキュリティと効率を兼ね備えたツールとして活用されています。
人の行動をリアルタイムに解析し、万引きや暴力行為、不審者の検知を行う防犯対策特化型のAIカメラです。
異常行動の早期発見や即時通知機能を備え、事件や事故の未然防止を実現します。
小売店や公共施設など、さまざまな現場で安全管理の強化に寄与しています。
選定条件:
2022年4月20日、Google検索した上位26社のうち、「分析・マーケティング」市場で最も価格が安い「メバル」、「従業員管理」市場で最も外部システムと連携できる「SECURE」、「防犯対策」市場で最も導入事例が多い「VAAKEYE」として選出しました。